歩くミラクル

歩いて生きたい人間の備忘録

人を眺めるのが楽しい話。

人を眺めるのが楽しくて仕方がない。


道ですれ違うお姉さん。

コートの下から垣間見える黒いスーツとスカート。就活かな。


電車で目の前に座ってた男性。

オシャレなリュックサックに、ピカチュウのキーホルダー。服装は結構ラフで、大学生と見た。


毎日膨大な数の人とすれ違う。

電車で同じ車両に乗った人の何割がこれから仕事で、何割がこれから学校で、何割が楽しいことへ向かうのだろう。

人の数だけ生活があるというのはありきたりな言葉だけど、ほんの一瞬、すれ違った人のこのあとの1日を思うだけでこの言葉を実感するのだ。



本当はもっと人の生活を眺めたい。

幽霊になった自分を想像する。ふわふわと浮いて、でも誰からも見えないそんな都合のいい幽霊。幽霊な私は人の生活を上から眺めている。

例えば誰かに恋をしてたり。

例えば、誰かに文句を言ったり。

例えば、何かに涙したり。


恋はとても可愛くて、好きと言う感情を胸に秘めて、振り返ってもらうために駆け引きに化粧、オシャレをする。可愛い。


人が誰かの文句をいうのは、見ていたらドキドキするだろう。何が嫌なのか、何故嫌なのか、それをどう吐き出してそのあとどうなるのか。一部始終がきっと気になる。


涙したら。きっと私もすごく苦しくなる。誰かとお別れしたり。悲しいことがあったり。苦しいことがあったり。それで泣いている人を見て苦しくなる。でも、人は、乗り越えていくこともできる。

もし涙を乗り越えたならば、その人はきっととても強く美しいし、乗り越えられなくても、それもまた人なのだ。


人ってなんて不思議で魅力的なんだろう。


先日とあるお店の店長さんが、お店について熱意を語っていた。

お店を大きくしたいしリピーターも欲しい。でもこのお店だけじゃなくて、地域全体を好きになってほしい。このお店はその足がかりにしたい。


面白いなぁと思ったし、素敵な夢だと思った。

この店長さんがこれからどうなるのか、夢は叶うのか気になったし、眺めていたいとも思った。


でも残念ながら?喜ばしいことに?私も人間なのである。

私の人生があるし、他人を眺めてたら「何?怖…」って言われるし、気になった人がいてもすれ違うだけで、その人の1日を見ることなんてできない。ましてや人生なんて以ての外だ。


それがとても惜しいしもったいない。人はこんなに不思議で綺麗で面白くて儚くて…そう、死が待ち受けていたとしても生きていく。苦しいことも嬉しいことも感じつつ生きていく。


そんな人々の生活を想像するのが楽しいしドキドキするのだ。


だから来世は雲になりたい。あるいは樹木。

人を眺めても引かれない世界の一部になりたい。




人を眺めるのは楽しい。

とても勝手なんだけど。

どうか、そのまま、生活して。